歌の波形(音量)はどのくらいの大きさがいいの?

歌ってみたにとって、楽曲の主役はもちろん「ボーカル」です。

となると、ボーカルは一番気持ちよく聞かせてあげたいですよね。

ここでは、歌(ボーカル)の波形や音量についてまとめていきます。

理想的な波形ってどんなの?

波形の大きさの許容範囲

歌の波形は、小さかったらオケに負けてしまいますし、大きすぎると歪(ひず)んでしまってミックスではとても使えない音になってしまいます。

最初のうちは、自分の録り音が良いのか悪いのか判断できにくいですよね。

ここでは、波形の大きさを自分で判断できる方法をまとめていきたいと思います。

理想的な波形

まず、理想的な波形は大体このようなイメージです。このような波形なら問題ありません。

一回コツをつかんでしまったら、後はどの曲でも基本は使いまわせるテクニックです。

まずはしっかりと流れをつかみましょう!

レコーディング前に録り音の大きさを決めよう

曲のジャンルや曲調によって、マイク入ってくる音量はまちまちですよね。激しいロックと静かなバラードでは音量は何倍も違ってきます。

レコーディングを始める前に、まずはその曲の録り音の大きさを決めなければなりません。

練習がてら何回か歌を歌いながら、ゲインなどで録り音の大きさを変えていき、その日のベストセッティングを探していきましょう!

では、どうやってベストな大きさを決めるたらいいのでしょうか?

その日の録り音の大きさを決めるのに、1つ基準とする箇所が決まっています。

それは、サビや歌の後半など、その曲の中で一番大きな声で歌うところです。その一番大きな音の時に音が歪まないようにすることが、1つの目安です。

ということは、歌がどのくらいの大きさから歪み始めるのか知らないといけませんね。

機材側で処理可能な音の大きさがあります。

それを知れば音量は簡単に決めることができますよ。

歪み始める音量ってどこから?

歌の波形は、下の図形のような上下に揺れた線で描かれます。

音が大きくなるとこの上下の振り幅が大きくなり、図の赤いラインまで振れてくると音が歪み始めます。

この図では、赤いラインまで少し余裕がありますよね。こういう状態であれば録り音は歪んでいません。

でも、こうやって波形をみながら録ながら録るなんてなかなか難しいです。

レコーディングソフトでは凄く便利な機能がついていて、録った音がこのラインに到達したら赤い印がメーターにつくようになっています。

下の図で、矢印のところに赤く印がついていますね。

これが波形が大きすぎて歪み始めるラインを超えてしまったと言うNGサインです。

この歪み始めるラインに到達してしまったことを「clip(クリップ)」と呼びます。

全力で歌って、クリップして赤い印がついたら徐々に下げていき、ほぼもうクリップしないところまで下げていってください。

だいたいクリップしないラインまで下げれたら、不測の事態に備えて、そこからほんの少しだけ余裕を持たすためにさらにもうひと下げすれば問題ないでしょう。

おそらく、理想の波形に近づいていると思います。

ダメな波形(歪みラインを超えてしまった波形)

もし、先程のクリップが出たまま録り続けるとどんな波形になってしまうのでしょうか?

この図のように上下の歪んでしまうラインまでなってしまったらNGです。

ピークを基準にしたら、Aメロは小さすぎるのでは?

このように、一番声が大きなところを基準に考えたら、曲調によってはAメロなどが極端に小さくなることもあります。

ですが、多少波形が小さくても問題ありません。ミックス時に調整は可能です。

歪むませてしまうとミックスでは調整できません。

まずは「歪ませないこと!」これが鉄則です。

クリップしたけど、波形をチェックしても音は歪んでないように聞こえるけど?

ほんの少しだけでもクリップしたら、すぐに音がひずみ始めるというわけではありません。

ソフトや機材にもよりますが、音が歪むまでに少し余裕があるものもあります。

ですが、クリップしても音が変わらないからいいやと思っていたら、そのうちすぐ声が出るようになってに歪み始めます。

サビで一番気持ちよく歌えた~~~!最高のテイクだよ!って思って後で聞き返すと、ほんの少しだけ歪んでたりすることはよくあります。

サビが一番声が大きく一番声が歪みやすいので、こんなことが起きたら最悪ですよね。

ほんの一部だけでも歪んでいたら、ミックスの時に大変なことになります!

後になって後悔するより、ちゃんとセオリーに従ってセッティングをするに越したことはありません。

クリップしたら、ゲインを下げるなどの調整をすぐにしましょう。

録り音の音量は、ゲインでコントロールする

先程、歌いながら録り音の音量を調整すると言いましたが、これはオーディオインターフェースについている「GAIN」と呼ばれるツマミでコントロールしてくださいね。

もしオーディオインターフェースにゲインが無い場合に限り、レコーディングソフト側でコントロールしても構いません。

たまに、オーディオインターフェースにGAINがついているのにレコーディングソフト側で音量調整する人がいるのですが、これはNGです。

基本的に、ソフト側で音量を上げて録るより、ゲインを上げて録る方が音圧があり良い音で録れます。

ソフト側はデジタル処理なので音圧は出せないんですね。音圧はゲインを上げて稼ぐのが基本と考えてください。

ゲインのツマミは、たまにわかりにくいところにあるのですが、こんな感じで「GAIN」という名前がついているのを探してくださいね。

もし、レコーディングの中盤以降でクリップしはじめたら

曲の後半になってくると、徐々に声がでてきて、またテンションも上がってきてレコーディング当初より大きな声がでるようになっていることがあります。

となると、最初少し余裕を持って下げ目にして録っていたけれども、気がつけば赤いクリップ印がついている、、、ということになることもよくあります。

そんなことが無いようにたまにインプット音量も確認してくださいね。

もしレコーディングの中盤以降からクリップしはじめたとしても、全然構わないのですぐにゲインを少し下げてあげましょう。

音量はミックス時に調整すればよいので、それまで録ったところを再度録り直したりする必要はありません。

「音が歪む」これだけが天敵です!