レコーディングって、一人でしていると何がOKテイクなのか、どこを歌い直したら良いかわかりづらいですよね。
レコーディングって、こうしないと良いテイクが録れないということはありません。
ですが、オススメの方法はいろいろとあります。
最高のテイクを録るために、プロの現場で行われているレコーディングの方法をまとめました。
まず、最初にオススメしたいのが、1コーラスとかまとめて録るのではなくて、細かくパートごとに録る方法です。
目次
なぜ、歌はパートごとに録る方が良いの?
初心者の人コーディングで、最も多い間違いが、「歌を最初から最後まで、もしくは1コーラス連続で歌ってしまうこと」です。
人気歌い手の人でも、「え!?1コーラスかそれ以上一気に録ってるよ!?」という人もいると思います。
実は、それでは絶対に最高のテイクは録れないんです。
中級者以上のレコーディングで目指してほしいところは、すべてのパートで全力を出し切って録ることです。
歌は、全力で集中したら1曲通して歌えません
歌えないというと語弊があるかもしれませんね。ライブでは1曲全力で歌ってるじゃないかと言われるかもしれません。
確かにライブでも全力で歌っていますが、ライブとレコーディングはまた別物です。
歌のレコーディングって、1キロを全力で走るようなものと考えてください。
「1キロ全力なんて絶対無理!」と思うと思います。どんなに陸上競技を練習した人でもほとんどできません。
でも、50メートルなら全力走れますよね。
だったら、50メートルづつ区切って全力で走って、間をおいてまた50メートル走って、、、を繰り返して、最後に間を切ったものを全部つなぎ合わせたら、全力で1キロ走ったことになりますよね。
歌のレコーディングもそれと全く同じです。
「Aメロ」だけ、もしくは「Aメロ」の半分だけ、といったパートごとに集中して最高のテイクが出るまで歌っていけば、最後につなぎ合わせた時、最高のテイクが生まれるのです。
なので、1曲通して歌って、自分はちゃんと歌えてる!」と思っていても、その人が持っているはずの「最高のテイク」には遥かに及びません。
逆に言えば、1曲通して歌っている人は、まだまだ良いテイクが録れるということを意味しています。
最高のテイクを録るコツをつかんでくださいね!
これができれば上級者!最高のテイクを録るコツ
たとえば、「1番Aメロ~1番Bメロ~1番サビ~~2番Aメロ~2番Bメロ~2番サビ」という楽曲があったとします。
実際の現場ではこうやって録っています
順番に前から
一番多いパターンで、一番歌いやすいパターンでもあります。
特別な意図のある録り方を考えていない場合、この順番で問題ありません。歌い手も全体像をイメージしやすいので、個人的にはこの録り方以外はしていません。
テンションが同じところから録る
1番と2番が同じテンション感でも良い時、この方法がとられることがあります。
歌い手は、テンションコントロールが楽なメリットがある反面、ややシステマティックにまとまった歌に仕上がる時が多いです。
機械的な無機質さを売りにしたい楽曲ならこの方法がオススメですが、荒々しさやライブ感を出したいときにはオススメできません。
絶対必須!!前後のつながりを良くする録り方
パートごとに録ったことがある人はわかるかもしれませんが、前後のつながりをきれいに合わせるのはとても難しいことです。
どんなにいいテイクが録れても、その前後のテイクと自然につながらなければOKテイクとはなりません。
そうならないようにするために、画期的な方法があるので紹介します。
実際に取るパートの、「少し前」と「次の出だし」まで歌う
パートごとに録るとき、大半の人がそのパートの「頭」から「最後」まで歌っていると思います。例えば、1番Bメロを録る時、Bメロの頭から歌いはじめて、サビの直前まで歌うパターンですね。
一見、「誰もがこうしているのでは?」と思いますが、これではうまくつながらないことがあったりします。
なぜなら、サビ前で歌を終えると「はい、一旦止めます」感になることが多いです。
Bメロの後はもちろんサビも続くので、Bメロとサビのつながりがちょっとぎこちなくなることがあります。
それを避けるために、次のパートの頭まで少し歌ってしいましょう。
1番Bメロを録っている時、サビ前で歌をやめてしまうのではなく、そのままのテンションで次のサビの頭くらいまでは歌っちゃってください。
そうすると、「一旦止めます」感がなくなり、各テイクのつながりが劇的に良くなります。
さらに、Bメロの前のAメロの後半から歌い始めると、さらにAメロとのつながりも良くなります。
歌うところは、図で言うとこんな感じですね。赤の付箋の箇所になります。
この場合、Aメロの最後とサビの最初も一緒にレコーディングされてしまいますが、レコーディングソフトやDAWで簡単に切ることが可能なので、そこは心配しないでくださいね。
それでは、どのくらいつながりが良くなるか、実際に過去に録ったパターンを見ていきましょう。
レコーディング時に絶対にしてはいけないこと
長すぎる休憩は絶対にNG
一旦レコーディングが始まったら、多少の休憩は必要ですが、テレビを見たり本を読んだり、できれば携帯を見るのも避けてください。
歌って不思議なもので、一旦集中力が切れてしまったら、休憩前と同じ歌い方ができない時がほとんどです。
1番と2番の間で長い休憩を入れてしまうと、1番と2番の統一感があまりない、、、しかも声質も微妙に違う、、、とったことになりかねません。
その場合、最悪最初から歌い直ししなければならなくなります。
歌を録ろうと決めたときは、最後まで歌いきることを目標にしてくださいね。
宅レコあるある。こんな時どうすればいいの?
①レコーディングの途中で急激に調子が上がってしまった時
突然何かが降りてきたパターン
歌っている途中で、喉の調子が突然上がってしまうことがあります。
喉が温かくなってきて高いところも割とでやすくなって気持ち良いですよね。
それが2番やレコーディングの終盤に来てしまったら、、、それまで録ったものはどうしたらいいの?って思いますよね。
そういう場合は、迷いなくもう一度録り直してください。
調子が上がっているので、そんなに何回も何十回も歌うことなくOKテイクが出せると思います。
良いものをつくるためには、思い切って今までのことを捨てることも大事です。
最後に降りてきたことに気づくパターン
最後まで録ったあと、全体を通して聞くと1番Aメロ等の前半に録ったパートが弱く感じることがあります。
これは、徐々に喉の調子が上がってきたパターンですね。
そういった時も、思い切ってもう一回1Aメロ以降、気になるところまで録り直してください。
喉は消耗品です。その日のうちでも調子がいい時はそんなに長続きはしません。
レコーディングは、「気になるところは、納得いくまで録り直す」が基本でです。
突然神が降りてきたその大チャンスを、しっかりとレコーディングしてくださいね!
②テイクがバラバラになってしまったけど、そのままミックス師さんに渡してもいいの?
Aメロ、Bメロと順に録って行くと、それぞれバラバラのwaveファイルができてしまいます。
そのままのデータではミックス師さんに渡せませんね。
そういう時は、「頭だし」という作業を行えば一本のファイルにすることができます。
詳しくはこちらで確認してみてくださいね。
ミックス師さんによっては、バラバラのデータでもOKという方もいます。
お願いしたいミックス師さんにどういったデータが良いか、事前に確認するとスムーズに話が進むと思いますよ。
まとめ
中級者くらいの歌い手さんになると「一気に録った方が流れが良いテイクが録れるよ」と言っている人がたまにいらっしゃいます。
何度も言いますが、それでいいテイクが録れることなんて絶対にありえません
プロ一流の歌い手でも、一気録りでOKテイクを出すことはまず不可能です。
歌ってみたを出している著名な歌い手でも、私が録ればまだまだ劇的にいい歌にすることができる!!と思う人がほとんどです。
いつか、誰もが知っている歌い手さんに協力してもらって、これだけメジャーな人でもここまで歌のテイクが良くなるという企画をしたいと思っています。
いつになるかは未定ですが、楽しみにしててくださいね。