自作防音室をつくって、24時間音を出せる環境がほしい!
歌や音楽をしている人にとっては夢のような話ですね。
ミックスできるくらいの広さで、3畳くらいあるようなちゃんとしたものを買おうとしたら、安くても100万くらい??
絶対無理!!
でもどうしてもほしい。。。
じゃあ、自分で作ってしまおう!
と、仕事を辞めたのをきっかけに、ものすごく安易な発想で防音室をつくりだすことになりました。
え!?DIY(日曜大工)の経験もなければ、防音の基礎知識もない!
しかも作業人数は自分の1人だけ!(設置場所はマンションの9階)
あるのはなけなしの貯金と、ありあまるほどの時間!
普通の分譲マンションの9階に、防音室を作ってしまおうという無謀な計画です。
まずは自作に向けてゼロから計画を練ることからはじめよう!
防音室をつくるには、、、まず下準備
どんなものを作るかを決める
性能
まずは、どんな防音室を作るかというプランを決めます。
性能的には、設置場所がマンションの9Fなので、上下左右の住人から苦情がでないということが大前提です!
しかも、夜中でも演奏できるというところには強くこだわりたいと思います。
どのくらいの音が出るかというと、、、歌はもちろんのこと、ミックスもできるようにしたいので、それなりの大きな音が出ます。
さすがにドラムまでは無理だと思うので、ちょっとしたアンプが使えて、アコースティック系楽器は普通に演奏はすると思います。
となってくると、それなりの広さと防音性能が必要です。
あまり狭い部屋で音を出すと音が回ってしまうので防音室の意味がありません。
これらを総合すると、こんな条件になりました。
■防音性能&広さ
- 2畳以上
- 防音性能高め(DD-40以上)
- 高さ2m以上
予算
大体のイメージが出来たので、次は予算を決めたいと思います。
ちょいハードル高めの性能にしたので、
普通に買ったら中古でも80~100万なので、、、自作で安く仕上げるにしたら大体3分の1から半額くらいが一般的な相場かな?
30万くらい、、、
でもこれくらいあったらミックス用は無理でも、1畳くらいのボーカル用防音室なら普通に売ってる価格。
これでは自作の意味がない!
せめて2畳くらいあって、防音性能も爆音に耐えれるクオリティを保ちつつ、、、15万!
ちょっときついかと思いながらも、目標は高いほうが良いのでこのくらいを目処に頑張ります。
■目標予算
- 25万
知識をつける
どんなものを作かを決めたのですが、、、とにかく完全な素人。
どんな知識が必要になるのか、その第一歩すらわかりません。ひたすらネットで防音の知識を得るために探しまくりました。
防音「室」というだけあって、ただただ音が漏れないようにハコだけ作ったらよいと思ってたけれど、、、そんな簡単なシロモノではなさそうだ。
むしろハコだけつくったら音が反響しすぎてより音が大きくなっていしまう><
- 遮音と吸音がそろって初めて防音効果があるので、二重壁など工事は大掛かり
- 低音を防音するためには空気層が必要になり、かなりの大きさになる
- 防音性能を高めるためには、かなりの重量が必要
- 空気が入れ替わらないので、換気扇が必要
- 正方形や長方形では音が増幅しやすい
などなど、、、調べれば調べるほどマンション内にたった1人で仕上げることができるとは思えなくなってきた。
でも、ここは絶対にあきらめない!なんとしても夢の防音室を作るという強い気持ちで不安を押し切ります。
実際にどんなことを勉強したかというと、こんな感じでまとめました。
- 防音の基礎知識を身につける 初級編
- 防音の基礎知識を身につける 上級編
見本となる、本物の防音室を見に行く
ざっくりと基礎的な知識ができたので、一度本物を見に行くことにしました。
ありがたいことに、自転車ですぐいける距離のところにYAMAHAのアビテックスショールームがあったのでさっそく予約を取って見学に行きました。
説明を受ける際に、防音室の設計図をもらって、防音壁を真ん中で切って中身がみえるようになったものを見ながら事細かに教えてくれました。
防音室の構造ってこんなに複雑なんですね。
できるだけ振動を抑えるため、板と板は防振ゴムなどを使って直接あたるようにしない。
出入り口のドアや換気扇などには特別な工夫が必要。
など、、、
これでは買ったほうが手っ取り早いのかと、希望の性能の防音室だったらどのくらいの金額になるか試しで聞いてみたところ、、、
なんと150万!
展示品などの激安品があったら買ってしまおうかと思ったけれど、、、やはり予算オーバー!
さらに、自作も考えているとメーカーの人に伝えたら、「絶対に素人が作れるものではない!断言します。」とのことでした。
そういわれると、、、絶対に1人で仕上げたくなります!
逆にテンションが上がって店を出ました。
人生初の設計図を作る!
さて、本物を見て設計図ももらってきたので具体的な制作を開始!
もちろん設計図なんて人生で作ったことはありません。
試行錯誤しながら夢に向かって進んで行きます!
設計図を作る
それでは、具体的な設計に入ってきましょう!
設計といっても素人レベルなのでざっくりとした寸法を測る程度です><
今回は、自宅で一番広い8畳の部屋に作りたいと思います。
寸法を測って具体的な大きさを決める
隣への防音の効果を最大限に発揮するには、やはり壁から防音室をできるだけ離す事です。
でも、離し過ぎると防音室内が狭すぎて使いにくくなるため、ギリギリの計算をしたところ、防音室と壁の距離を5~10cmほど離すことにしました。
また、今回勉強したことなのですが、大きなスタジオはいびつな形をしているのが多いのですが、あれは音を乱反射させるためだそうですよ。実はきっちりした正方形や長方形では反射した音同士がぶつかって響きが悪くなってしまいます。
なので、今回の防音室もできる限りいびつな形にします!
が、それでは制作時にとんでもなく難易度が上がるので、今回は一面だけ斜めにすることにしました。下記の図のような感じですね。
そして形でもう1つ困ったところがありました、、、設置場所に太い梁が通っているんです涙
下記の図の緑の部分に、天井から30cmほどボコッて出っぱっており、ここの部分だけ一角へこまさなければなりません。
この結果難易度がさらに上がるという結果になりました。
コントロールルームを設置
また、今回は自分が歌ったり演奏するだけでなく、自分の楽曲を人に歌や演奏もしてもらえるように、半分を防音室にしてもう半分をコントロールルームのようにするという、本物のスタジオのようなつくりにしたいと考えました。
パソコンに入れているDAWを、自分が歌う時は防音室の中からコントロールできて、人に歌ってもらう時は外からコントロールできる仕様ですね。
これで普段作業する時は防音室の外の広いところで、音を出す時は中にこもってという便利な使い方が出来るようになります。
そんなこんなで、部屋に合わせた最高!?(と思う)の形を作りました。
物理的な問題をクリアする
いろいろ防音の勉強したところ、やはりマンションに防音室を作るには多少難しい、、、ということがわかります。
不安なことがいっぱいです笑
でも、作りはじめたあとで困るのは絶対にイヤなので、事前にその気になった問題をクリアしなければなりません。
ひとつひとつ確認していきました。
そもそも、床は防音室の重量に耐えれるのか?
防音室は重量が無いと性能が上がりません。
おおよそ1トンくらいの重量になるのが通常です。
そんな重ければ、、、壁が抜けてしまわないか心配です><
はるか昔、木造住宅でマンガを買いすぎて床が抜けたという実話があったことを思い出しました。
まあ鉄筋コンクリートだから大丈夫じゃないかな、、、とは思いつつも、作り始めてから問題が出たらどうしようもなくなるので、マンションのオーナー会社に連絡をして、どの部屋にどのくらいの質量の防音室を設置するか事細かに報告しました。
一週間ほど経って検証結果が返ってきて、、、
「問題ナシ」との回答。
約一トンまではOKとの仕様になってはいるものの、実質はその3倍くらいの重量に耐えれるような設計になっているらしいです。
昔話題になった手抜き!?マンションでなければ問題なさそうです笑
あと、2重床になっていたので、ここはちょっと補強しないといけませんね。
ここはちょっと苦労をしたので実際の制作のときに書いていきますね。
換気の問題
防音室は「空気が漏れてはいけない」という設計が求められます。
ということは、、、換気は一切出来ない、、、ということになります。
防音もしつつ、換気もする??
これは設計上、完全に矛盾する難題です。
でも、それもものすごく便利なものがありました!
防音用の換気扇が見つかりました!!
解決早っ!!
2重壁にしつつ換気用の穴をつくるのはちょっと技術が大変ですが、、、まあ、、、換気できずに命を落とす不安に比べれば軽いものです。
ちなみに、穴は換気扇用とコンセントやケーブル類を通す穴の二つ必要になりそうです。
材料を買いにいく
設計図と事前に気になることがクリアできたので、具体的に必要な材料を探します。
ざっとみるとこんな感じでした。
木材
- 角材2×4 50本
- パーチクルボード 2枚
- 床板 2枚
壁材
- 石膏ボード 20枚
- ケイカル板 10枚
- 吸音材(ロックウール) 50枚
入口
- ドア(トイレ用) 2枚
- ドア蝶番 2個
接着&隙間をふさぐ
- 遮音テープ 3ロール
- 防振ゴム 10本
- シリコン 50本
- 釘 無数
- 針金 1ロール
内装
- 吸音材 20枚
- じゅうたん 10枚
- ふすまシート 10枚
多すぎ笑
これをどこで購入できるかを探したところ、、、
何と驚いたことに、ホームセンターコーナンのプロ用店「コーナンプロ」でほとんどのものがそろうことを発見!
しかもコーナンプロは10kmほど離れたところにある!
あと細かいとこは「ムサシ」、音楽的な吸音材は「サウンドハウス」等でそろえたら材料はクリアできそうだ!
しかも、コーナンプロでは、軽トラのレンタカーも無料で貸し出ししているとのこと!
材料の運搬もなんとか1人でできそうな目処がたちました。
次回は、実際に製作に入って行きます。