『歌い手』と『歌手』の違いって? 歌ってみたを上げてる人はどっち?

歌い手になりたい!」っていう言葉よく聴きますよね。

また、「歌手になりたい!」って言う人もいますよね。

では、「歌い手」って「歌手」とどう違うのでしょうか?

似て非なるってことはわかりますが、明確な差は、、、?となると意外にわかりにくいものです。

歌い手と歌手の違いを探ってみましょう!

「歌い手」と「歌手」の違い

まずざっくりと分けてしまえば、ニコニコ動画で活動している人のことを歌い手」、CDを出したりライブをしたり職業として歌を歌う人を歌手」と呼ぶのが一般的です。

歌手のことを「プロ歌手」と呼ばれることがあるように、歌い手が「プロ歌い手」と呼ばれることはありませんね。

基本的なラインは、歌手として事務所に所属して、歌手としてメジャーデビュー(インディーズ含)しているかどうかということになると思います。

でも面白いことに、「歌い手」がメジャーデビューして「歌手」になることはよく聞きますが、「歌手」も「歌い手」になることがあります。

ガチのプロ歌手がたまにニコニコ動画に歌をアップすることがありますよね。

そうすれば、コメントに「プロの仕業」とか「プロ降臨」といわれたりするように、「歌い手」になることができます。

例えばですが、小林幸子さんも2013年に動画をアップして歌い手デビューしましたよね。

「歌手」としては日本を代表する超大御所のガチプロですが、ニコニコ動画の「歌い手」としては新人なんです。

なので、ニコニコ動画というフィールドで歌唱活動する人のことを、プロアマ問わず「歌い手」と呼ぶということになるんですね。

歌い手というジャンルが生まれた経緯

なぜ歌手より歌い手に注目が集まるの?

プロである歌手がクローズアップされるのは当然ですが、アマチュアが大半である「歌い手」にこれほどまで注目が集まるのはなぜでしょうか?

それは「憧れ」という感情に対する、大きな意識の変化だと思います。

まず、アイドルで例を出すと、2000年以前(20世紀)は「松田聖子」「中森明菜」に代表されるように、飛びぬけた見た目の美しさはもちろん、アイドルとして人気があって、歌もプロ一流レベルで、一般の人にはどこをとっても手が届かない存在に「憧れ」という感情を抱きました。

完璧な「神」のような存在ですね。

でも、2000年以降はどうでしょうか。

自分よりはるかにレベルの高い存在には「現実味」を感じず興味がわかないという風潮が蔓延して行きます。

例えば、AKBが「手の届かない美人」ではなく、「クラスで4番目くらいにかわいい子」を集め「会いに行けるアイドル」というコンセプトで大ヒットしたように、自分に近い存在に「憧れ」を抱く風潮になるのです。

2000年以前は、手の届かない神のような存在に抱いていた「憧れ」という感情が、「親近感」という感情の延長の存在になってきたのですね。

つまるところ、すぐ街へ出たらすれ違う人が有名な歌い手歌い手である可能性もあるし、自分自身も有名歌い手になれるチャンスが少なからずあるという時代になったのですね。

モデル業界で言えば「トップモデル」よりも「読者モデル」の方が人気があったりするのと同じだと思います。

「頑張れば自分もなれる!」という親近感が「歌ってみた」文化を大いに盛り上げたといってよいと思います。

歌い手文化に、大いに存在感を示すミックス文化

歌い手が「親近感」を感じる有名歌い手になるチャンスがあるのは、あるひとつのテクニックが一般化したからとも言えます。

いわゆる「ミックス」ですね。

niconico動画でいう”ミックス”とは、歌とカラオケを混ぜ合わせる本来の意味に加え、歌い手の音程やリズム感を修正したりデジタル加工をしてまるでプロ歌手が歌っているように仕上げる意味になっています。

有名歌い手になるには、音楽的レベルを上げるために必死で歌の練習をするより、高い技術のある良い「ミックス師」との出会いに大きくゆだねられているといっても過言ではありません。

このあたりの手軽さも歌い手文化を大いに支えているところです。

なので、そんなガチガチに歌の練習しなくても、ミックスの研究をしてプロのように崇められてる人も山のようにたくさんいることになります。

そうなると、決して歌の実力があるわけではないので、ライブなどに参加すると「あれ??」と思われてしまう人がいるのも事実ですね。

歌ってみたとライブの比較動画とかたくさん出ていますよね。

ミックス技術の向上は、音楽の存在意義を大きく変え、歌い手への参入ハードルを大きく下げてくれました。

音楽機材の価格破壊

参入ハードルを大いに下げた要因として、機材の価格破壊があげられます。

2000年に入った直後くらいは、まだまだ機材はかなり高価でした。

オーディオインターフェースなんて10万以上はザラでした。

ですが今では、、、数千円のUSBマイクがあれば歌ってみた動画はできてしまう時代です。

本当にいい時代になりましたね!!

歌い手と、歌手の技術レベルの違い

こういったミックス技術の向上により、一見プロ歌手のように聞こえる”歌ってみた動画”をあげる人が飛躍的に増加しました。

でも、やはりデジタルミキシングです。

歌い手の中のトップクラスでは、プロ歌手の中で通用する人もいなくはないですが、私が見てきた中ではほんの数人しかいませんでした。

歌い手のトップの人は、”プロ歌手の中でもトップクラスとして通用する”といわれるのが通説ではありますが、それは全くの誤解です。

テレビを見て、音源との歌唱力の差に驚いた人はたくさんいるのではないでしょうか。

「プロ並みの歌唱力」がなくても、ミックス操作によって「プロ並みの歌ってみた動画」をつくって、「プロ以上の人気」を得ることができます。

まとめ

このように、歌ってみたの文化は様々な要因により盛り上がっており、ますますその勢いは強くなってきています。

これが、歌を披露する人が「歌手」だけでなく「歌い手」という新しいフィールドが生まれた理由です。

こういった歴史的背景がわかれば、歌手と歌い手の違いがわかりやすいですね。

なろうと思えば、今日からでも歌ってみたデビューできる、、、そんな夢のような世界が「歌い手」のフィールドを支えています。

あなたも早速歌い手デビューしてみましょう!

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