ヘッドホンですごくいいミックスができたんだけど、スピーカーで聞くと、、、思ってた音と違うんです、、、
ヘッドホンのミックスを信じていいよね?
基本はモニタスピーカーの方を信じる方がいいかな。中級者以上を目指すなら、モニタスピーカーは必須だよ。
また新しい機材が必要なの~?><
それより、ヘッドホンとスピーカーの音の違いに気づけたことが何よりも大きな成長だよ
確かに機材増えるのは超テンション上がる~
ミックスをする際に、スピーカーとヘッドホンはどっちでするほうがいいの?とすごくよく聞かれます。
簡単に結論だけ言うと「両方ともうまく使わないといけない」とうことになります。
でも正確に言うと、モニタスピーカーを使ってほぼミックスを完成させて、ヘッドホンで最後の細かい調整していきます。
役割的には、9:1でモニタスピーカーの方に比重があります。
なので、ワンランク上のミックスを目指すなら、モニタスピーカーでのミックスを極める必要があります。
でもそれなら、なぜ初心者はヘッドホン(イヤホン)だけで大丈夫っていうことだったのでしょうか?
それは、モニタスピーカーは家でもある程度音を出さないといけないし、ヘッドホン(イヤホン)ならパソコンに直接つなぐことができるからですね。
でも、なぜモニタースピーカーがあった方が良いのかピンと来てない人が大多数いることも事実です。
それでは、なぜモニタスピーカーがあればクオリティが上がるのか解説して行きますね。
目次
モニタスピーカーでのミックスを極めないといけない理由
多くの人が誤解していること
一番の問題は、ヘッドホンでミックスした音をモニタスピーカーで聞くと、自分の思ってたイメージと違うわかるのですが、それは機材の性能によるものだと勘違いしていることです。
ヘッドホンでキレイなバランスに聞こえていても、モニタスピーカーで全然ダメだった場合、ヘッドホンのミックスも実は全然ダメだということなんです。
それだけ、ヘッドホンでは全体バランスを取るには不向きだということです。ダイナミクスが微妙でもなんとなくキレイに鳴っているように感じてしまうんですね。
ヘッドホンとスピーカーから出る音って同じ?別もの?
まず、モニタスピーカーを優先してミックスしないといけないことを説明するために、ヘッドホンとモニタスピーカーから出る音が違うということを説明しなければなりません。
もちろんですが、両者は全く別物になります。
元は同じステレオデータを聞いているのに、なぜ違うのでしょうか?
両者には、下記のような顕著な違いがあります。
- 音像の位置が違う
- スピーカーは、LチャンネルとRチャンネルの音が混ざり合う
といわれても、ピンと来にくいですね。
まずは、スピーカーとヘッドホンの音像や、発声から耳に届くシステムの違いをこの図で確認しましょう。
スピーカーの場合
ヘッドホンの場合
音像の位置が違う
上図のように、スピーカーで音を聞いた場合、スピーカーあたりの少し先に音像が広がります。
ですが、ヘッドホンで聞いた場合はどうでしょうか?
ヘッドホンでは目の前に音像は広がりません。頭の中に広がるのですね。これは「頭内定位」と呼ばれて頭の中で音が聞こえているような状態のことです。
スピーカーは、LチャンネルとRチャンネルの音が混ざり合う
また、モニタスピーカーとヘッドホンでは、実際に右耳と左耳では聞こえてくる音そのものが違います。
まずは、ヘッドホンの場合を考えてみましょう。
ヘッドホンのLチャンネルで鳴った音は、左耳にしか直接入ってきません。Rチャンネルで鳴った音も直接入るのは右耳のみです。(骨伝道などでは逆側の耳にも入りますが、モニタを考える場合は空気伝道のみとします)
ですがスピーカーの場合はどうでしょうか?
スピーカーの場合は、Lチャンネルで鳴った音は左耳だけでなく、右耳にも入ってきます。逆にRチャンネルも同じで音量差はあるものの右耳だけでなく左耳にも入ってきます。
しかも、スピーカーから出た音は、壁に跳ね返った音も入ってくるし、頭や耳たぶでゆがんで伝わったたくさんの音が入ってきます。
直接耳に入る音だけでなく、ヘッドホンでは聞くことのできないたくさんのパターンの音の情報が耳に入ってくるのです。
なので、ヘッドホンとスピーカーでは、それぞれの耳に入ってくる音の情報量が違うので、違う聞こえ方になるのは当然ですね。
では、なぜモニタスピーカーを優先してミックスするの?
このようにモニタスピーカーとヘッドホンの音は、全く違う聞こえ方であることがわかりました。
では、なぜモニタスピーカーを優先してミックスするべきなのでしょうか?
モニタスピーカーにあって、ヘッドホンに無いものを調整する
LチャンネルとRチャンネルから鳴る音がそれぞれ混ざり合って鳴るのがモニタスピーカー最大の特徴です。
ヘッドホンでは、この混ざりがありません。
なので、ヘッドホンではわからない音の混ざりまで調整できるからモニタスピーカーは必須なのです。
ヘッドホンでいくら丁寧にミックスしても、それぞれの音が混ざり合った時微妙だったら、そのミックスはダメなミックスとなるのです。
また、ヘッドホンは多少ダイナミクスが大きくても、許容範囲に聞こえてしまう特性があります。なので、ヘッドホンで気持ちよくしてしまうと、モニタヘッドホンで確認するとやりすぎていることも多々あります。
2WAYで出力される音の強みを生かす
スピーカーは2WAY方式が多く採用されています。高音域用(ツィーター)と低音域用(ウーファー)の2箇所から発声されるのでより高音と低音がわかりやすいのですね。
ヘッドホンはもちろんLとRの1箇所からのみの発声になります。
自然に近い音で調整できる
先程も話したように、自然音はほぼ全ての音がなんらか跳ね返ったり(反響)して耳に入ってきます。その跳ね返りの音の成分によって、人は音がどこから聞こえているか、どのくらいの距離があるかを知ることができるのです。
ヘッドホンとモニタスピーカーはどちらがその状態に近いかというと、やはりモニタスピーカーですね。
なので、自然とモニタースピーカーでミックスをすべきという結果になります。
ヘッドホンとスピーカーはどう使い分けるの?
モニタスピーカー
- 全体的な周波数的なバランス
- 曲の流れやダイナミクス
- 音色の確認
ヘッドホン
- 細かな周波数的な音質の調整
- 小さなノイズの確認
スピーカーは、周波数的なバランスを確認するのに非常に便利です。音のダイナミクスも自然に再現されるので、曲の流れも確認しやすいです。
ですが、先程言った様に、スピーカーは自然の音に近い状態で聞くことができるといいました。ですが、いろんな反響などで元音の状態は少し違ってきているということになります。
悪く言うと、細部にわたる細かい部分はごまかされてしまっていることになります。
ということは、その自然の反響などが入らないヘッドホンで音を聞くと、細かな部分はそのまま聞こえますね。特に細かなノイズなどはヘッドホンでないとわからない場合が多いです。
このように、モニタスピーカーだけでなく、ヘッドホンでも両方きっちりと聞こえるように調整すると、ミックスの精度は飛躍的に向上します。
また、スピーカーもモニタ用だけでなく、ラジカセやあまり良いスピーカでないモノでも調整することをオススメします。
低音がしっかりでない環境で再生されても、それなりに聞こえるように調整することができますよ。
プロ用のスタジオになぜか古いラジカセがよく写っているのはこのためです。
調整したい音にあわせて再生環境を使い分けてくださいね。
モニタがあれば部屋がカッコよくなる!
良い機材を持つのはミュージシャンにとって最高の憧れですよね。パソコンやヘッドホンだけでは、あまりミュージシャンっぽくないですが、モニタがあるだけで一気に見栄えがプロっぽくなります。
こういった見た目にもこだわっていくと、より音楽ライフが楽しくなっています。
でもここは少し余談ですね笑
オススメモニタスピーカー
ネットで検索すれば、いろんなモニタスピーカーが見つかると思います。
ですがモニタスピーカーの質は、実際に長い間使ってみないと良し悪しがわかりません。
ここでは一般的に良く使われている、オススメモニタを紹介して行きます。
- 初心者用オススメ モニタスピーカー
- 中級者用オススメ モニタスピーカー
- 上級者用オススメ モニタスピーカー